斧マニアが読み解く『ゴールデンカムイ』
さる4月末にめでたく大団円?を迎えたマンガ
『ゴールデンカムイ』
ラストシーンの「アイヌと和人の協力で文化が護られた」
発現は微妙に批評フンプンらしい。
だがゴールデンカムイはあくまでもヘンタイが狂喜乱舞する活劇漫画
社会的なものを求めたいなら、別の作者の教育マンガを探るべきであろう
さて、ゴールデンカムイは集英社のマンガ
集英社といえば『ジョジョの奇妙な冒険』
作者の荒木飛呂彦は、著書『荒木飛呂彦の漫画術』でこう語る
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「「どんな世界にも、マニアがいる。
おかしな絵を描けばツっこまれてしまう」」
それをネタに『斧マニアとしてのジョジョの奇妙な冒険』を書いたのはもう7年も前
http://isikari.cocolog-nifty.com/blog/2015/06/post-b4eb.html
このたび、ゴールデンカムイがラストを迎えた。
そこで、あえて語りたい
『斧マニアから読み解くゴールデンカムイ』
ゴールデンカムイのアイヌ文化監修者・中川裕氏は
『アイヌ文化で読み解くゴールデンカムイ』を出版しているが
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ここでは「斧マニア」の立場で語ってみたい。
ゴールデンカムイは日本兵とアイヌ少女のコラボ。
なので登場する「グッズ」は
日本兵の軍装かアイヌの民具が中心である。
開拓時代の北海道が舞台なのだから、
もっと斧が活躍する場面があってもいいだろう。
最もアイヌ自身は製鉄技術を持たず、
刃物ほか鉄製品は和人からの受け売りだった。
彼らが使っていたムカㇻ(斧)は当然ながら和式の斧である。
刃が狭くて、脇に数本のスジが入ったの。
30巻にわたる連載の中で斧が活躍するのは
わずかに16巻の152話。
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根室の漁場で働くヤン衆の中に、ヨボヨボの爺さまがいる。
アイヌでもないのに、着込んだ厚司がトレードマーク。
故郷も忘れ、名前も忘れ、数日に一度は寝ションベン。
完全に耄碌して、漁場の仲間にももて余されている。
だが彼の正体は、実は生きていた土方歳三の知り合いで
伝説の人斬り
「人斬り用一郎」
伝説の人斬りだからこそ、敵も多い。
「池田孫七郎」なる人物を斬った咎で、
明治後期の今も追われる身だ。
その追手は根室くんだりの漁場にも押しかけてきた。
三人組の追手の獲物は、長ドスに手斧。
だが…
だがここに登場する手斧は、微妙に残念だったりする
刃の側面のスジが無く、ヒツ(柄を通す穴)は楕円形。
それでいて「刃の形」は和斧同様の「細長い形」。
これでは和式か洋式かわかりようがない。
できればヘンタイ殺人鬼の辺見くん。
3巻か4巻あたりで、ニシン漁場のヤン衆として働いていた彼。
鰊の搾りかす「粕玉」をコーフンしながら切り刻んでいた彼。
彼にはニシン漁場ではなく、
山中の造材飯場で働いていただきたかった。
ならば「このブログ」向きの活躍をしてくれたものを
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