シェーン
1953年作の、不朽の名作西部劇。
アメリカ西部、ワイオミング州。峨々たる山々を望む大平原の開拓農家。夫婦に子一人の一家の下に、流れ者のガンマン、シェーンがふと訪れる。
幼い一人息子はシェーンを慕い、母親もまたシェーンに好意を抱く。しかしおりしも開拓農民たちは、近隣の悪徳牧場主から度重なる嫌がらせを受け、ついに死者が出るに至ってシェーンは・・・
ラストシーン、ワイオミングの山脈を背景に、一人騎馬で去るシェーン。ジョーイ少年の
「シェーン、カムバック!」の叫びはあまりにも有名。
映画冒頭、大平原の粗末な丸太小屋の前で父親が斧を振るい、前庭にある巨大な切り株を取り除こうとしている。乾いて強張った幹は斧の打撃を吸収してしまい、幾ら父親が斧を振るえど切り口は広まらない。
父親が躍起になっている脇で気ままに遊ぶジョーイ少年が、彼方を歩む馬上のシェーン発見。人目でシェーン意憧れる少年。家に招き入れられ、歓待に預かるその外でも、黙々と斧を振るう父親。
シェーンは斧を借り、父親と二人がかりで斧を振るえば見る見る切り口は広がる。
「馬を使えばいいのに」と、母親は諭すが父親は「男の勝負だ!」と意に介さずなおも斧を振るい、二人がかりでついに押し倒す。シェーンが一家に受け入れられる最初のドラマ。
「土地などいくらでもあるだろうに、何で、邪魔っけな切り株がある場所に家建てる?」
などとは考えないように。
のちに妻も息子もシェーンにかぶれて、さびしくただ一人の男が悲しかった。
この切り株の場面で使われているのが「両刃斧」である。剣のごとく、諸刃の斧。武器としては西洋で古代ギリシャのころから使われていたが、新大陸に渡って大森林を切り開くアメリカの開拓民たちに愛用され、さらに改良を加えられた。
一方の刃を鋭く研いで軟らかい樹を伐り、もう一方の刃を鈍く、刃こぼれしないように研いで硬い樹を伐る。あるいは一方を伐採に使い、もう一方を薪割り専用にしてもよい。
一本で様々に使い分けられる、まことに有益な斧だ。
しかし両方に刃を持つ、「殺る気マンマン、峰打ちの慈悲など与えぬ!」形状ゆえに、ホラー映画で大活躍しているのも事実。
「シェーン」は、両刃斧が「正しい使い方」をされている稀有な映画とも言えよう。
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両刃の目的は使い分けだったんですね。 殺る効率二倍と考えた僕は人間失格w刃物は正しく使いましょう^^;
投稿: ゆた | 2008年3月18日 (火) 01時25分