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2008年3月 6日 (木)

西洋斧の柄

基本的に日本式の斧、マサカリ、金太郎さんや与作さんが持っているようなそれの柄は、直線的である。

Photo Photo_2

対して、昨今の薪ストーブ愛好家が愛用している輸入品の西洋斧、ジェイソン君が悪いガキを成敗するときに使う西洋式の斧の柄は、微妙な曲線を描いている。

Img Axe_lineup

見た目に美しい西洋斧の柄の曲線美。しかし実用一辺倒の無骨な道具であるところの斧だ。この曲線は装飾としてつけられたものでないことは、言うまでも無い。この曲線に、西洋人によるアメリカ開拓の苦難と努力が込められているのだ。

1492年、コロンブスによって「発見」された南北アメリカ大陸。そして1620年、英国から出帆した「メイフラワー号」に満載された開拓民が北米大陸に上陸。ここにアメリカ開拓、そしてインディアン迫害の火蓋が切られた。

英国人たちが持ち込んだ荷物の中には、当然樹を切り倒し加工し、時としては外敵を倒す目的の斧があったことは言うまでもない。その斧、つまりヨーロッパの伝統的な斧は刃が細長く、柄は直線的。上の写真で「日本の斧」として出したものとそう変わらない。その斧で森にあたった。しかし今まで先住民の石斧のみが開発の道具だったアメリカの大森林、文字通り斧を知らない森のことだ。直径5m、高さ80mにも上る巨木が林立し、開拓民の光を阻んだ。しかしチェンソーなど夢にも知らない時代。斧一本で格闘するしかないのだ。

関節を痛め、掌にいくつも血豆を作る伐採作業の中で、開拓民は悟った。

今までの斧ではダメだ!」

斧に工夫を凝らさなくてはいけない。威力をまさなければいけない。そこでまず、刃渡りを長くした。歯の反対側、つまり峰の部分を多少を重くした。これで振り上げ、振り落ろす際のバランスが取れる。刃はこれでいい。

次は柄だ。握りやすく、スッポ抜けしずらく、衝撃を弱めるような柄が欲しい。その結果できあがったのがグリップと中盤の湾曲を持った曲線柄、「フォーン・フート」だ。大きな刃と曲線柄が合致した西洋斧、一説によればその威力は、改良前の1・5倍にもなったという。

しかしこの曲線柄には欠点もある。

「反対側からの衝撃に弱い」。

薪割りの際には刃の反対がわの峰の部分を楔を打ち込むハンマー代わりにしたり、あるいは薪割の技として「刃を半分薪に食い込ませ、そのままの状態で斧ごと薪を半回転させ、斧の峰を薪割り台にぶちあてる。」というのがある。曲線柄はこの「反対からの衝撃」で、ぽっきり折れる悲劇もある。

そこでマウルとかモールと呼ばれる薪割り専用の斧は、西洋斧ながら柄が直線的である。同じように、力が両側からかかる両刃斧も同じ。

実用的で見た目にも美しい、西洋斧の柄の曲線。しかし日本の斧は、いまだに直線を貫いたままである。他国の知識を進んで受け入れ、自分なりに昇華するのはお手の物の日本人。こと斧に関しては保守なのが不思議。

スペア柄(万能斧 68cm)

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コメント

さすが^^;博識っぷりに恐れ入りますw 工夫を重ねた先人達は偉大ですね。

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