狗神
高知の山奥の村を舞台に描く、土俗的なホラー。血イドバドバの洋モノスプラッターも怖いが、ねっとりドロドロの和モノホラーも怖いこと。
山奥の尾峰という村の学校に教師・奴田原晃(渡部篤郎)が赴任してくる。
晃はバイクのガス欠で困っていたところを小さな製紙工場を営む土居誠二(遊人)に助けられ、陰鬱な村を案内される。そこで誠二は楮の手漉き和紙で生計を立てる坊之宮美希(天海祐希)に出会う。
美希は結婚もせず兄夫婦とともに実家に住んでいた。高校生の頃、実の兄と知らずに本家の隆直(山路和弘)の子供を孕し、死産。それ以来、村から外へ出ることもなく、ひっそりと暮らしている。
出会った時からお互いに好意を感じていた美希と晃は仕事場の裏山に和紙の原料を取りに行った際、雨に降り込められ、杉のほこらの中で衝動的に合体してしまう。
2人は年の差を超えて真剣に愛し合うようになるが、同時に村には不思議な出来事が起こり始める。
美希を「狗神筋の女」とののしった誠二の母親(淡路恵子)が急死。隆直の妻園子も気が狂い、子供を殺した後自殺。村は深い霧に覆われる。村人たちは狗神のせいだとして坊之宮家に怒りの目を向ける。・・・
ラストシーンは喪服姿の集団毒殺血反吐ゲボォゥ!とにかくドロドロ。
さておき、村の男衆に坊之宮家の紙漉き場が襲われるシーンは斧マニアから見ても秀逸だ。
手に手に柄が幾分短めの斧を持った男が屋敷になだれ込み、紙漉き場をメチャクチャにビチ壊す!
集団襲撃は見事なキレがあり、幾分のスキすらないのだ。規則的にはめ込むように斧を振り下ろし、嵐のように紙漉き道具を打ち壊して撤収してゆく。
家人は悲痛なうめきを揚げてこらえる。
日本のドロドロした風土、斧の暴力的な恐怖が結集した名場面である。見て損は無いよ。


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