フレイルティー 妄執
「父」。この文字は、斧を二つ重ねた姿を図案化したものである。
斧で森を開き、斧で敵を斃す男の生活、そして父性。
「斧」という文字の中には父がいる。斧は父親の道具だ。しかしおとっつぁんがその斧で猟奇殺人を犯し、そしてそれを子供に「正義」として教育したら・・・
父と斧のおぞましいかかわりを描いたのが、2001年米国映画 「フレイルティー 妄執」。
アメリカ テキサス州。
「ゴッドハンド」を名乗る謎の殺人鬼による、バラバラ殺人事件が続発。全米が恐怖に青ざめていた。行き詰る捜査の中、HBIの捜査官・ドイル(パワーズ・ブース)のもとにフェントンと名乗る男(マシュー・マコノヒー)が現れ、
「犯人は自分の弟、アダムだ。弟は何人も殺したあとに自殺した。そしてまだ発見されていない遺体がたくさんある」
と、にわかには信じがたいことを話し始める。話につりこまれたドイルが、弟が埋められているというバラ園へ向かう車中、同乗のフェントンはおぞましい物語を話し始めるのだった・・・
1979年。フェントンとアダムの兄弟は、父親(ビル・パクストン)と3人暮らし。母親を早くに亡くした兄弟にとって、父親はまさに絶対的存在であった。自動車修理工の父親は、母親にかわって兄弟に愛情を注いだ。優しい父親につつまれ、幸福な兄弟。
しかし・・・その日はやってきた。
父子3人の前にごつい顔立ちをして、背中に翼をはやした「天使」が現われ、使命を与えたのだ。
「そなたは悪魔と戦わなくてはならない!」
そして天使は父親に「悪魔」の名が記された書き付けと、悪魔退治に使う「聖なる斧」を授ける!
悪魔、として名を記されているのは、近所に住む普通の人々。兄のフェントンは「人殺しはよくないよ!」と必死に父親をいさめる。しかし父親は「神様のご意思だ!」と確信犯、やる気、もとい殺る気マンマン、幼い弟もノリノリだ。
ついに殺人が始まった。リストに載った人びとをいきなり殴って気絶させ、縛り上げて猿くつわはめて攫い、物置小屋に運び込む。
そして散々死の恐怖を与えた後に、聖なる両刃斧で惨殺!
兄弟はリストの人々をおびき出す。父親は斧で止めを刺す。そして兄弟が死体を隠す。
何度この忌まわしい出来事が続いただろうか。兄は弟に家出をもちかけるが、幼さゆえに善悪の区別が出来ない弟は・・・・
そして・・・
一神教を信ずる民は神の名の下に戦を起こし、先住民を滅ぼした。こんな人間に信じられる神様のほうでも大迷惑だろう。
しかし聖なる斧・・・どうみても日本円で1万円も出せば買えそうな、ふるぼけた両刃斧だ。もっと派手な装飾はしないのかな。
斧の中に父がいる。斧で父は悪魔退治。子供はそれで洗脳されて・・・
教育とは大事なものです。
もっとも昨今、父親は残業残業で疲れ果てて帰宅。家では妻にゴミ扱い。子供からは加齢臭で嫌がられ、あげく「ひぐらし」で感化された子供に斧で惨殺されるありさま。
時代も変わったものです。
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絶対に「悪魔退治」はしないように!




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