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2013年5月 2日 (木)

リンカーン秘密の書

南北に分裂しかけたアメリカを再統一し、悲惨な奴隷制度を撤廃。

そして貧乏な開拓農民として生まれながらも
知恵と努力でホワイトハウスへと登りつめた。
まさにアメリカンドリームを体現した男、エイブラハム・リンカーン。

しかしその実は(やはり)人種差別論者。
白人以外の人種には分け隔て。
アメリカ大陸の「本来の主」に対しては
凄惨な「民族浄化」を繰り返していた。
無抵抗の女子供を含めたインディアンへの大虐殺
「インディアン戦争」はまさにリンカーンの在任中の出来事である。

トム・クルーズ主演「ラストサムライ」の前半部が思い出されますなぁ。

しかしこれだけははっきり言える。

リンカーンは斧マニアだった!

開拓農民のせがれとして生まれ
幼少時より開墾その他の荒仕事に追われていた彼は
斧使いの達人。
身長193㎝の体躯と長い手足を駆使した伐採スピードは
常人の3倍。
柵作り用の丸太割り作業はお手のものだったという。
後年、政治家として出馬した彼を衆人は「レール(柵木)の候補者」と愛称したとさ。

「南北戦争」
「リンカーン」
「斧」

この史実三者をエッセンスとして造られたトンデモ映画こそが
「リンカーン秘密の書」


19世紀初めのアメリカ中西部。
貧しい開拓農民のせがれ・エイブラハムは、
地元の名士・バーツに母親を殺される。
復讐の機会を伺いつつ成長した彼は酒場で大酒を煽っている。
そんな彼を隣から伺う30歳代の快活な男・ヘンリー。

「酒を煽るのは復讐のためか?」

ヘンリーが問いかけた瞬間、
エイブラハムのふところから ピストルが転がり出す。
あわててピストルを仕舞直し、そそくさと酒場を後にした彼は
母の仇・バーツを見つけ出すや至近距離から銃撃!
これで母ちゃんも浮かばれる…と思いきゃバーツは死なない。
「お前の母親の血は甘かったぜぇ!」と
血まみれの顔でせせら笑いつつエイブラハムをねじ伏せる!

絶体絶命の危機!が訪れたとこで先ほどの男・ヘンリーが登場。
華麗なワイヤーアクションでエイブラハムを救い出す。

ヘンリーの家で目を覚ましたエイブラハムは、
彼から意外な事実を知らされる。

バーツが実は吸血鬼であること。
吸血鬼はアメリカ社会に深く根を下ろしていること。
人間業では斃せない彼らを退治するためには、
「バンパイア・ハンター」にならなければならないこと。

話を受けたエイブラハムは、1も2もなくバンパイアハンターになる道を選ぶ。
一般的なヴァンパイアハンターは銀の弾を込めた銃を得物にするものだが、
彼が使うのは幼少期より馴染んだ斧。
怒りにまかせて大木を一撃で叩き伐り、
棒術よろしくブンブン振り回しては的にヒット!
(自然保護団体からクレームが来ないかなぁ…)

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刃先にヴァンパイアを倒せる唯一の化学的物質・銀を
コーティングすれば最高の武器の出来上がりだ。

実地試験として「日焼け止めを商う善良な薬屋・その正体は吸血鬼」を
成敗した彼はヴァンパイア・ハンターとして独立。
夜な夜な斧を振りかざしてはアメリカ社会に巣食う害悪を取り除く。

20_2502_03

しかし…
母の仇・バーツを成敗できる機会は訪れない。
斃すべきヴァンパイアはすべてヘンリーからの指示を受けたもののみで、
それ以外の者に手にかけることはできないのだ。

何故か?

その一方で弁護士を志すエイブラハムは
雑貨屋に下宿して勉強を始めるなかで
客として訪れた娘・メアリーと恋に落ちる。

恋人の存在は、ヘンリーとの仲に隙間風
(男同士でもこの表現でいいのかな?)を吹き込んだ。
その矢先にヘンリーの重大な秘密が発覚!

ヘンリーの正体は?
彼がエイブラハムをヴァンパイア・ハンターに仕立てた理由は?
彼がエイブラハムに決まったヴァンパイアのみ狩らせた訳は?

真実をしったエイブラハムはとっさに銀の斧を振りかざすが、
さすがに恩人?を成敗するのは思いとどまる。

(こう書けば、ヘンリーの正体がわかるよねぇ。
初登場時でさえ顔に『日焼け止め』を塗り捲っていたのだから)

ヘンリーと決別したエイブラハムはついに母の仇・バーツを
「仕込み斧」にてめでたく成敗。
その後は斧を仕舞い込んでメアリーと結婚し、政治家への道を邁進。
アメリカ北部と南部の対立が深まる中で、南部の思惑を知ることになる。
南部の支配層はヴァンパイアであることを。
食料を効率良く得るために奴隷制を温存していることを。
アメリカ南部から、ひいては全世界を手中に収めようとしていることを。

アメリカが南北戦争へと至るなか、
エイブラハムは仕舞い込んだ銀の斧を再び取り出すのだった…

感想
よそ様のブログなどでは
「多方面で弱い」。
「恋人を殺されたヘンリーが、どうして湯船でよその女と平気でイチャイチャできるのか」
「ニンニクも十字架も、日焼け止めさえ塗れば太陽光も平気な
ヴァンパイアが、なんで一介のヴァンパイアハンターに撫で斬りにされるのか」

などなど評判はそれほどよろしくない。
ヒステリックな悪妻・メアリーが
貞淑で奥ゆかしい良妻として描かれていたのが
こちらとしても不満だな。

しかし映像美はそれなりによろしい。
闇で姿を消すヴァンパイアに木くずを放り投げて気配を伺うシーン。
細かなチリの描写は、2000年の「グラディエーター」の
アクションシーンを思い出させる。

ラストシーン。
一度は決裂しつつも、エイブラハム・リンカーンとは
付かず離れずの関係を保ち続けていたヘンリーが言う。

「君に永遠を授けよう」

ようするに「不老不死の吸血鬼にならないか?」と言いたいわけだ。
ヘンリーは登場時と同じく、30代の若さのまま。
しかしリンカーンはすでに50代。時間とは残酷だ。

「人は伝説を好むものだ」と言い残して誘いを断り、
妻ともども劇場へ出かけていく。
そう…
彼を「アメリカ史上・最初に暗殺された大統領」へと至らしめる
死出の旅路。

リンカーンが出発した馬車の後をサーチライトが照らし、
ヘリのホバリングが後を追う。
舞台は一気に現代へと移る。

バーでスマホを操る若者の手元から、ショットガンが転がり出る。
すかさず手を取って勧誘するのは不老不死のヘンリー。

ああ…皮肉w

さて斧マニアとしての「リンカーン・秘密の書」

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彼が手にする斧の刃の形状をよく見てほしい。
柄が密着する部分が、三角形に出っ張っている。

アメリカ全土でさまざまな形がある斧の刃。
これはまさしく、エイブラハム・リンカーンの故郷であるケンタッキー州。
アメリカ中西部において特徴的なものだ。

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アクションやストーリーはともかく斧に関してはきちんと考証してある。そして、殺人鬼の得物として捉えられがちな斧が、正義のアイテムとして大活躍。なかなかのものではないか。

こちらは原作本。

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