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雑記

2017年6月 4日 (日)

ニュージーランドの巨樹・カウリ

アメリカ大陸にオーストラリア
温帯や熱帯で白人が来るまで鉄の道具が無かった地域には共通点がある。
とんでもない巨木があちこちに存在していたという事だ。

アメリカ西海岸にはセコイア杉
オーストラリアにはユーカリ

石斧は、鉄の斧の四分の一の威力。
とんでもない大木を倒すにはどうしても手間がかかる。
第一、大木を倒しても使い道が無い。
家も船も、手ごろな木でいい。

だから大木はそのまま残されてさらに成長して大きくなる。

さて白人が来るまでは先住民族・マオリの天下だったニュージーランド。
やはり独自の大木が存在する。

それが「カウリ」だ。

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南洋スギの一種である巨木。

樹齢は数千年、樹高は50m、直径は数mにも及ぶ巨木。
材は芯が詰まり硬すぎず柔らかすぎず、しかも根元から枝分かれせずまっすぎに幹が聳える。だからカヌーの原料として最適、原住民のマオリ族は一定のおきての元にカウリ材を大切に伐り出して船とした。

だがやがて白人が到来すると、カウリは家具材や船材として大々的に伐採されるようになる。いくら数千年の木でも、鉄の斧に森林鉄道、そして白人の販売経路にはかなわない。

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かくてニュージーランドの北島の大半を覆っていた森林は乱伐され、現在残るカウリは白人渡来以前の数パーセントと言うありさま。1951年にいたり、カウリの伐採は完全に禁じられた。

現在、ニュージーランド北島の一部には伐採を逃れたカウリの森が森林公園とされ、近隣にはカウリの巨大な板を展示したカウリ博物館もある。

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美しいカウリの木目。だが伐採は禁止だから、日本の「屋久杉、うもれ木」と同様に地中に埋もれたカウリの丸太を掘り起こして細工物に使っているようだ。

カウリ樹脂の琥珀「カウリガム」

 


2017年1月 8日 (日)

八甲田山で食べたいもの

日露戦争の開戦を目前とした1902年冬。
青森県八甲田山山中で行軍訓練をもくろんでいた日本陸軍第8師団の歩兵第5連隊は猛吹雪に巻き込まれた。

気温はマイナス20度。

体感温度ともなれば実にマイナス50度以下。
弁当の握り飯は凍って口に入らない。
ビバーグ用に雪洞を掘ってもサラサラ雪は崩れる。
2m掘っても地表に達せず、仕方なく雪の上で炊事の火を起こす。

火が起るにつれて土台の雪が解けて火が消える。
釜の支えが傾いて煮えない。
結局、炊けた生煮えの飯。それも、とても全員には行き渡らない。

せめて、鉈や手斧でもあれば。
生木を切って火床を作り、安定して火を熾せたものを。

飢える兵らは睡眠不足のまま出立し、もうろうとした意識の中で前日にも勝る風雪にさいなまれた。

道を失い谷に落ち
用便を足そうにも指の感覚を失って服を脱げない
そのまま垂れ流せばそこから凍って斃れていく。

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こうして一個隊210名のうち、死者は実に199人!
世界山岳史上にも例を見ない大量遭難死となったわけであります。

さて
なぜここまでの死者を出したか。

・地形や気候に詳しい地元民の忠告を無視した
・雪中行軍ながら、防寒の備えがお粗末だった

ただ…
もし彼らが鉈でも持っていれば、薪を作れたろう。
銃剣では小枝すら落とせない

現代的に「焚火台」でもあれば事態は異なっていただろう。


そして「凍ってしまう米の飯」「炊くのに水や燃料がいる生米」ではなく
そのまま口にでき、なおかつ凍結の恐れのない、水分の少ない保存食物でもあれば。

もちろんカロリーメイトなんかない時代。
そんな欲求に合致する食べ物と言えばまず乾パン

でも、意外なことに日本の伝統食品にもそんな欲求にこたえる食品があるのです。


炊いた米を洗ってから干し上げた「干し飯」。
今でいうアルファ化米


生米を炒ってサクサクにした「焼き米


そして、薄く切った餅を凍結乾燥した「凍み餅

これらの食品なら、固くて噛む必要があるとしても何とか食うことができる。

せめてマタギの知恵を学んでいれば、
気候を読んで延期する柔軟性があれば
かくのごとき悲劇もなかったろうに

名作映画のネタが無くなりはするものの)

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2016年10月23日 (日)

斧の柄の素材・ヒッコリー材を食べる

西洋斧の柄としてスタンダードなヒッコリー材はクルミ科の樹木。
当然ながら、その実は優秀なナッツになる。

古くはアメリカインディアンの重要な食材であり、現在アメリカでも人気のナッツ。

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そのままお茶やウィスキーのアテにしても。砕いてクッキーやチョコ、ケーキのトッピングにしても香ばしさが香り立つ。

さらに「ヒッコリーの食文化」として重要なのが「スモークチップ」としての利用。

魚や肉の保存性を高め味わいを深める「燻製」を作る時、不完全燃焼させて煙を発生させる。

もちろん、薪にするのに向く材木、向かない材木があるのと同様、
スモークチップにする木にも向き不向きがある。

薪に適した樹が広葉樹であるのと同様、スモークチップも広葉樹がいい。

・香りが高い桜のチップは、羊肉に牛肉など癖のつよい肉向き

・クセのないクルミのチップは、白身魚かチーズのスモーク向き

・マイルドなりんごのチップは、白身魚向き

・ブナのチップはオールラウンド

・ウイスキー樽を流用したオークのチップは淡白な素材にあう

そして…

肝心のヒッコリーのチップはと言えば、クセのつよい肉でもアッサリサッパリの魚にお豆腐でも、オールマイティーに使えるチップ。

スモーク造りを始めたいが失敗は怖くて二の足を踏まれる方は、最初にヒッコリーチップを使われるべきだろう。



さらに最近では、大型スモーク器を持ち出さずとも、家庭のガスコンロで手軽にスモークを作れる小型スモーカーもある。


家庭でもサイトでも、手軽にヒッコリーを味わいたい。

2016年10月16日 (日)

西洋斧の柄・ヒッコリーにこだわる

日本式斧。
最近では洋斧を真似して曲線柄も登場しているが、
刃には伝統の三本と四本のスジ。
柄の材質はカシの木だ。

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一方で、西洋斧の柄の材質はヒッコリーの木
グレンスフォシュでもハスクバーナーでもヘルコでも、スタンダードナンバーは皆同じ

このヒッコリーとは、いかなる木なのだろうか?

その正体は、北米原産の落葉広葉樹

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材は胡桃に似た強靭さを誇る高級材。



高級家具に斧の柄、バット、さらにはドラムスティック

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高級家具から斧の柄、バットにドラムスティック。

美しく、なおかつ打撃に耐える強靭な材質。それでいて、握ればしっくりと掌になじむ

ちょうど我が国のタモのような財である。

2016年5月26日 (木)

防災用品

東北の震災も復興途上なのに

クルクルと散々言われている東海も南海も来ないのに

熊本で大震災

来る時に備えて斧ほか脱出用工具、食料、そして簡易トイレを用意しておくのが得策でしょう。


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2016年3月10日 (木)

岡田くんと斧

TBS 「アブナイ夜会」を見る。

まさか岡田くんが斧マニアだったとはね。
案外このブログを読んでいたりして。

まずは、番組内で登場した斧のリンク。

 

グレンスフォシュの大型薪割り。

 

ソマウドの木割り斧はこちらを参照。 http://www.harima-kousan.co.jp/~rokkosan/somaud/splittingmaul/kh-index.htm

ノルディスクテントはこちらですね。

ケメックスのコーヒードリップもいいですね。


でも今回登場した斧は、みんな本式の薪割りに使う道具。
おしゃれキャンプには多少違うかな?
キャンプ場の薪は割りやすい杉の板材で、
あんな大きな斧は必要ないから。

むしろおしゃれキャンプ用には、

このあたりがいいでしょうね。
もちろん、コンパクトながら、薪も割れる。

夜明けのヒゲも剃れる切れ味です。

2016年1月 4日 (月)

ゴースト・アドベンチャー

アメリカの怪奇番組「ゴースト・アドベンチャー」。

怪奇現象が起こるといわくつきの物件を心霊的、化学的に捜査するという、日本でもありがちな番組。

でも物件に泊まりこむのが霊能者でも可愛い女の子でもなく、マッチョな男三人衆なんですね。

さて今回の物件は、斧による殺人が発生した空き家。

マッチョ三人衆は斧持ってふざけたりして。

幽霊よりか、よっぽど怖い!

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2015年11月17日 (火)

アフリカの素朴な製鉄

アフリカ西部。
サハラ砂漠南岸に位置する小国・ブルキナファソ。

拡大するサハラの前で乾燥化にあえぎつつ営まれる
村落での素朴な製鉄を収録した映像作品である。

カラカラに乾燥したサバナで必死に命をつなぐ木を切り倒し、積み上げる。
火打石で起こした火を放てば、全体に回って盛大な炎が上がる。
火が落ち着いた所で土をかけて消火し、残った「消し炭」が
製鉄用の燃料だ。

一方で製鉄炉の用意。
地面に草束を立て、周囲に泥を塗りつけて固める。
最後に中の草束に火を放てば泥の外殻は焼き固められて炉となる。

形状は、古代日本の簡素な炉・甑炉か、
大躍進政策に沸いた1950年代の中国農村に幾千となく築かれた炉と変わらない。

この炉に壺と動物の皮でこしらえた手動式のフイゴを取り付け、
いよいよ点火。
消し炭を入れ、鉄鉱石を入れ、手動フイゴで風を送り続ける。
一人で操作する手動式の炉だから、大型化は難しいだろう。
もとより付近の森林資源を考えれば、大規模製鉄は難しい。

それでも炉の底には精錬された鉄分が溜まり、
最終的にケラ(鉄の塊)として完成される。

しかしアフリカに炭焼き窯の知識が無いのが、
残念としかいいようが無い。

薪の野焼きで得られるのは、少量の炭のみ。
精製で膨大なカロリーを消費してしまう。

近年、アフリカ東部では日本の「かまど」が伝えられた。
ただの焚火に比べ熱効率が格段に良いため、
炊事による森林破壊が大幅に抑えられたという。

日本式の炭焼窯も伝わらないものだろうか。

さて、もちろん映像内にも斧や鍬などアフリカの手工具が登場する。
それらには「異様に柄が短い」という共通点がある。

日本や西洋のクワや斧の柄が70から90㎝はありながら、
手足の長い現地の民が使用するそれはせいぜい45cmほど。

平凡社新書『世界のしゃがみ方』によれば、アフリカ黒人の
腰の関節は他の人種に比べれば異様に柔らかいという。

そのため、かがみこんで行う作業が全く苦にならない。
日本では田植えや田の草取りともなれば、
5分に一回は腰を伸ばして
「くーッ!」などと一息入れるだろう。

しかし現地の人が畑の草取り作業を観察した報告によれば、
数十分腰を曲げても全く苦にならないとのことだ。

曲げる姿勢が苦にならない。
だから、道具の柄も短くて済む。

身体構造と道具の関係は面白い。

2015年11月14日 (土)

ツイッター上での斧マニア

管理人はツイッターをやっていない。

いちいちパソコンなりスマホなりに張り付いていられる時間もないし、
うっかり余計な発言して炎上&本人特定されるのも怖いから。

でも先日ふとツイッター上において「斧マニア」で検索したら
けっこうヒットするんですね。このブログが。

嬉しいというか、微妙に複雑な気分。
判ってくれる人には、やはりわかってくれるのか。

2015年11月12日 (木)

石斧とクリの木

先日放送されたNHKスペシャルは、縄文時代特集。

毛皮の着物を着て石槍持ってウホウホ喚いていた…というのは昭和の縄文イメージ。優良な遺跡が多々発掘された現代では、「石器時代」としては高度な文明を有していたというのが定説。

その先鞭となったのが、平成の6年ごろに大規模発掘された青森県は三内丸山遺跡である。集落址の周辺から続々と発掘される、高度な土器に表情豊かな土偶、積雪期の集会場、あるいは作業場に使われたとおぼしき大型竪穴式住居、石器時代には存在しないとされていた高床式倉庫など、「貧しい」縄文のイメージを一新させた。

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集落周辺のゴミ捨て場からは大量のクリの皮が発見され、土壌からはクリの花粉が発見された。しかも花粉の遺伝子情報は似通っている。

恐らく縄文人たちは集落の周辺に「クリ園」を仕立て、日常的な食料としていたのだろう。

なによりも研究者を驚かせたのが、集落の中心から発見された巨大な6個の柱穴。恐らくは直径1メートルはあろうかという巨木の柱を立てた「物見台」が周辺を睥睨していたのであろう。

竪穴式住居に高床式倉庫、そしてこの物見台…
調査の結果、これらの構造材は大半がクリ材だった。栗の木は食料としてはもとより、材木としても重要だ。堅くて、腐りにくい。だから昔は線路の枕木、家の土台としてクリ材が愛用された。さらに…薄く割りやすい利点があるため、トタン板が普及する前には屋根ふき用の板にも使用されていた。

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じつはこのクリ材、「縄文むき」の利点がある。
石器でも加工しやすいことだ。一般的に、鉄斧の四分の一の威力とされている石斧。木を切り倒すのはいっそう面倒な作業だ。しかしクリの木は生木ならば柔らかく、石斧でも時間さえかければ確実に伐り倒せる。

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生木のうちに大まかな加工をほどこして乾燥させれば、あとは強靭な建材に早変わり。

後に鉄器が普及して以降、建材としての用途は杉やヒノキに軍配が上がる。しかし掘立柱建築として重要な不朽性、そして石器での加工を考えればクリ材に勝るものはない。

さらにクリの木は薪にすれば火付きがよい。弾けて火花を飛ばす欠点こそあるものの、火力にも火持ちにも優れ、津軽の冬から守ってくれる。

食べてよし、建ててよし、焚いてよし。
クリの木は縄文人の生活の柱だったのだ。

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