1940年代のアックスマン
1940年代の北米の木こり。
すでに兵器の発達はともかく、まだ伐採作業の大半は手作業。
両刃斧一本で大木を倒し藪を刈りはらう手腕の凄さ!
画像に登場した、回転式の砥石
1940年代の北米の木こり。
すでに兵器の発達はともかく、まだ伐採作業の大半は手作業。
両刃斧一本で大木を倒し藪を刈りはらう手腕の凄さ!
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斧の柄を自作する外人さん。
さて動画の三分ころから登場する「木工台」は、
「アルプスの少女ハイジ」で木地職人でもあるおんじが使っていたものと同一ですね。
体重や足の力を用いて素材を押さえつける。
西洋の合理的思考には感心させられます。
1940年代、カリフォルニア。
現在でこそ世界遺産に登録されているレッドウッドも、
当時は高級建材としてさかんに伐採されていました。
直径5mはあろうかという幹に足場板を打ち込み、その上に載って両刃斧を振るい、受け口を刻みこむ。
追い口は、「チェンソーの元祖」ともいうべき動力鋸で伐り込み、最終的にくさびを打ち込んで倒す。
それにしても…
巨大な樹
斧を振るう大男
ある程度は動力化された現場
こんな国と戦争していたんだね…
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20世紀初め。
アメリカは西海岸・オレゴン州の温帯多雨林で伐採作業に従事する樵たちの古映像。
両刃斧と2人挽きの大鋸のみで、
直径数メートル、高さ80mに及ばんとする巨木を伐採する男たち。
さらにすさまじいのが、木材運搬用のウインチ柱を作る作業。
そのあたりでは最も背が高い樹にロープを回しかけ、
その摩擦を利用してスルスルと登ってゆく。
上る中で下枝に当たったならば
その都度切り落とすことを忘れずに。
高さ50mはあろうかという位置にまで上り詰めたらロープで体を固定し、
高所で不安定な体制のまま斧を振るい、
木の梢を切り落とす。
地上での作業ですら、倒れる木に巻き込まれかねない伐採作業は危険なものだ。
ましてや高さ50m以上の高所。逃げ場などない。
倒れ落ちる梢に巻き込まれたら一巻の終わり。
それゆえこのウインチポール作成作業をこなせるのは
樵仲間でももっとも技術に体力、そして度胸が備わったものでなくてはいけない。
そして、その任務をこなせる事こそ誇りだった。
森林労働が機械化された現在では、さすがにこのような技術は必要ない。
それでも「木登り」はアメリカの木こり選手権では重要な種目だそうな。
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アメリカにおいて斧を大量生産しているメーカーは、コリンズ社、やマンエッジツール、ケリー、アメリカンツールカンパニーなど。いずれも鍛冶職人の手工業だった斧作りが、大規模な生産ラインへと発展した。鍛冶屋の親父がごつい腕で握る鎚の一打ち一打ちが、巨大な動力ハンマーの連打へと様変わりする。
アメリカにおける斧の研究と製作技術は19世紀に最盛期を迎え、全米の風土やそれに伴う植生、さらに使用目的に応じて数百種類もの斧が生み出された。
http://www.youtube.com/watch?v=PcEto_Q8MlY&feature=related
(1947年、カリフォルニアにおけるセコイアの巨木の伐採風景。斧や手挽き鋸作業の中に、動力鋸が一部で使われている。)
1850年代から1950年代の100年間にわたり、製造と使用のピークにあったアメリカ斧。その一方で1870年頃に伐採用の鋸が開発され、伐採時における斧の役目は「受け」を切り込むのみとなる。
さらに1960年代になれば本格的に「チェンソー」が普及し、旧石器時代より約1万年、人類の生活とともにあった由緒ただしき道具・斧は完全にお株を奪われた格好となってしまった。
仮に今現在、英語圏におけるインターネット検索で「ax」「axe」「axes」と打ち込もうものならば、斧よりもギターに関するページがヒットするとか。
しかしながら、今なお少数の職人や好事家に愛好されるのが斧である。排気ガスにまみれた唸り声よりも、はるかに軽快な音を立てて木を刻みこむ。なおかつ、環境に与える負荷が少ない。それを持ち上げる人力さえあれば、人力そのままのスピードながら役割を果たしてくれる。
人類が宇宙にコロニーを築く時代になろうとも、人間の装備に含まれるだろう斧。
斧が滅ぶ時は、人類が消滅するときだろうか。
現代の鍛冶屋が復元した、原住民との交易用斧。ハート型の透かしは、バレンタインデーの贈り物に最適?
ちょうな
漢字では「手斧」あるいは「釿」と表記される日本古来の大工道具であります。鍬に似た形状で、主に木材の表面を削って形を整えるのに用いられます。鋸が無かった飛鳥時代~鎌倉時代においては、角材を仕上げるのに欠かせない道具、この時代における大工仕事の象徴でありました。
さて、ちょうなに類する木工用具は、古代エジプトにおいてすでに存在し、西洋文化でも連綿と使用されつつ北米大陸に伝来したのでありました。
それが西洋式のちょうな、アッズ(Adz)であります。
船大工用のちょうな
鉄道工夫用のちょうな
現代彫刻家のちょうな
ダグラスの大工のちょうな
![]() 【大工・内装・ガラス用具】品番:EA588GE-13エスコ(ESCO) 280mm[平]ちょうな EA588GE-13 【3... |
![]() 【エスコ】 280mm[平]ちょうな EA588GE-13 |
![]() 釿(ちょうな・ちょんな)【大阪型・両面】3寸2分 |
![]() 【希少価値】釿(ちょうな・ちょんな)の柄(並品) |
斧の主要な使い道といえば、伐採、薪割り、製材。
あるいは武器。平たく言えば殺人用具。
しかし、それ以外の目的で使われる斧というのもございます。
まず挙げられるのが、「アイスアックス」。
19世紀のアイスアックス。
文字通り、氷用の斧。ジャマな氷を打ち割り、あるいは大切な氷を切り出すために用いられます。そういえば冬山登山には欠かせない手道具「ピッケル」もアイスアックスと申しますね。思い出せば、北海道の生活には欠かせない「氷割り用のツルハシ」。これも片側を斧の刃のように削ってありました。素性のいい廃材なら、これを使って割ることも可能です。
木を切り、水(氷)を削る斧。お次は土
これは、庭師さんが芝土を切り出すのに用いた斧。
根が絡みいって固まった土。あるいは泥炭をスパスパと切り出す。
現在でも南米ボリビアの巨大塩湖・ウユニでは、斧を使っての岩塩切り出しが行われております。
土とくれば、今度は火。
刃の反対側が鍬形になったブラスキー斧は、燃え上がる木々を切り払い、土を掛けて山火事を消す作業に使われます。
消防用の斧といえば、ピッケル方の方がポピュラーですが。それにしてもいい体。
最後に屠殺用の斧。
今現在、屠殺作業といえば豚は電気ショック、牛は屠殺銃で額を撃った後、脊髄にワイヤーを通してからの放血。ある程度は機械化されております。
しかしそれ以前は、牛の額に手作業で一撃を加え、昏倒させた後に喉を裂いて止めをさしておりました。
この斧の形状から推理するに、まず刃の峰の出っ張りで牛を殴って昏倒させた後に、刃で止めをさしてしたのでありましょうか。
ただ、このような「曲線柄」は両側から力がかかる用途に向かないのですね。
そこがまた疑問であります。
![]() ボリビアの南西部に位置するウユニ湖塩。ミネラル豊富でどんな料理にも合います。ウユニ湖塩(... |
世界各国の「屠殺」の現状を追ったルポタージュ。まさに名著です。
大は小を兼ねると申します。
しかしながら渾身の力を込めて大木に叩きつける巨大な伐採斧や、刃渡り20cmで大木の側面をガバッと掻き取る製材用マサカリを、繊細な作業にまで持ち込んだらどうなるか。
仕上がりはガタガタのガサツ。
下手をすれば身体も損なってしまいます。
さまざまな意味において。
小さな作業のときにこそ使いたいのが、片手で扱える手斧。
英語ではハチェット(Hatchet)であります。
かまどの片隅に常備して、大きな薪を割り裂いての焚き付け作り。
狩りに持ち込んでの、獲物の解体。
あるいは丸太小屋建設時の、ノッチ削り。手斧の中には刃の反対側をハンマー状に加工しているものもあり、一層使いでが増す。
手ごろな大きさだからこそ、手ごろに働いてくれる手斧。
薪が燃料の中心を占めていた時代には、一家に一本だった手斧。
だから…
明治大正昭和初期に起こった殺人事件において、出刃包丁や細引きとともに凶器の上位を〆ていたりするのだこれがw
良い子はそのような目的で使わないように!
斧に関する基本的な疑問として上げられる、
「斧とマサカリは何処がどう違うのか」
しかしこの質問に対する回答は難しい。
「大型の斧をマサカリという」場合もあれば、「丸太の側面を削って角材作りに使う、『はつり斧』のことをマサカリという」例も見られるからだ。これら回答の食い違いは、地域、方言としての差に由来する。
薪割り専用の刃が分厚く歯渡りが狭い斧であっても「大きいからマサカリ」と呼ぶ地域があれば、「小さいけれど、刃渡りがあるからマサカリ」と称する地方など全国百家共鳴状態。
しかし標準語的に回答するならば、「まさかり」とは「丸太の側面を削って角材を作るときに使う、大型の斧」と説明すれば間違いにはならないだろう。
さて、日本語では「はつりよき」「刃広」そして「まさかり」と呼ばれる、「丸太の側面を削って材木を作るための、刃渡りが大きな斧」をさす英単語は唯一つ。直訳すれば「広い斧」になる
「Broad ax 」(ブロードアックス)である。
やはり日本においての用途と同じく、丸太からの角材削り出すなど建築において威力を発揮してきた。そもそも刃渡りは20センチ以上はあるゆえ、一振りで数十平方センチメートルの木肌をバッサリとそぎ落としてしまう。
このブロードアックスをアメリカ大陸に持ち込んだのは、ドイツ人入植者である。彼らが持ち込んだブロードアックスは、その形から「The goose-wing broad axes」(ガチョウの翼型の斧)と呼ばれていた。東部のペンシルバニア州を嚆矢として、開拓の進展と共に北米大陸全土へと広まっていくのである。
下図 18世紀のガチョウの翼型斧
中世ヨーロッパのガチョウの翼斧
ところで、アメリカ式のまさかり「ブロードアックス」は「片刃」である。つまり刃がV字型なのではなく、日本の刺身包丁や鉈と同じく、r字の刃なのだ。片刃の刃物は木に対する食い込みがいいが、欠点がある。
「右利き」と「左利き」、使い手によって刃の向きを反対方向にしなければならない。つまり使い手を選ぶのだ。
そこで鍛冶屋は意外な工夫を凝らした。
柄を差し込む穴「ヒツ」を貫通型にして、どちらからも柄を差し込めるようにしておく。こうしておけば、買い手が自身の利き手を考えて調整してくれる。品物の少ない、人跡未踏の開拓地に合致した上手い考えではないか。
広いアメリカ大陸全土に伝わった、ブロードアックスは、それぞれの地方風土や産業に応じて進化を遂げていった。
18世紀 ペンシルバニア式
19世紀、ダグラス・ニューオルレアン式
20世紀、枕木削り用のブロードアックス
20世紀、カナダ式ブロードアックス
19世紀、船大工用のブロードアックス
製材所も材木商人もいない深い森の中、樵や開拓民たちは斧一本で木を伐り倒し、荒々しい丸太の側面を削りあげて柱や梁、板を作り上げ、家を立ち上げてきた。
開発が進み、製材所の大鋸で引き割られた木材や板が入手できるようになっても、その用途は失われていない。現在においても、森好きの好事家が「ログハウス」を造り上げる現場ではブロードアックスがまま見られる。その巨大な刃の大きな斧を手にしたログビルダー達が丸太にまたがり、手際よく側面を削り落として角材に加工していくのだ。
ブロードアックスは、人が製鉄技術を手にしたのちの2000年来に渡り使い続けられている歴史のある道具でなのであーる。
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アメリカ斧の典型例といえば、両側に刃を持つ「両刃斧」である。
ホラー映画では殺人鬼が操るメインウエポンとして親しまれている?この両刃斧は、西洋においては石器時代、さらにギリシャの青銅器時代より使用されている、大変歴史のある刃の型である。バタフライ型の大斧を操るゲルマン民族はローマを恐怖に追い落とし、騎士は宿敵を鎧ごと叩き斬る非常なる武器。
しかし伐採専用としての両刃斧は、意外にも新顔の道具である。はじめて「伐採用」としての両刃斧が成立したのは、1850年ころのアメリカ東部・ペンシルバニア州。その後、白人入植者によるアメリカ大陸蚕食にともない徐々にアメリカ北東部に普及し、西部開拓が本格的になった19世紀広範に至って太平洋岸地域にも持ち込まれた。
樹齢数千年、直径数メートルの巨木が林立するアメリカ西海岸の温帯多雨林に至り、峰打ちの慈悲など持ち合わせない両刃斧はその本領を発揮するのであーる。
ああ…どれだけの巨木神木が無慈悲な斧の手にかかって悲劇的な最期を遂げたことでありましょうや。
さて、疑問。
シングルビットアックス(一般的な片刃の斧)とダブルビットアックス(両刃斧)とでは、どちらが実用的なのか?
これに関しては、本職の間でも意見が分かれる。片刃斧は刃の反対側を鎚として代用できる。薪割りの際はクサビの頭を斧の峰でブチまくれる。一本で斧とハンマーを兼用できるのがシングルビットアックス。
一方で両刃斧は刃のそれぞれの研ぎを換えることで、伐採できる樹種の幅が一層広がる。柔らかい針葉樹は鋭利に研いだ刃で。硬い広葉樹は鈍くとも頑丈に研いだ刃で。ふたつの刃を持ち、一本で2度オイシイのが両刃斧だ。しかも意外な長所としてあげられるのが、その「T字型」の姿態である。
樹木の伐採をするときには、まず斧で徐々に幹をえぐる。その途中に深くえぐった伐り込みに「T字型」の頭を差し込むことで、木の倒れてくる方向を予測できるという。これはなかなかにうまい考えではないか。
両刃斧はアメリカの営林署に当たる機関で専門的に採用されているが、片刃斧の人気も一方で高い。丸太きりの早さなどで競う「樵選手権」で使用される斧は、伝統的に片刃斧である。
ともあれ、この翻訳記事の基原稿によれば、「シングルビットアックス」は専門的な切断工具であり、「ダブルビットアックス」は汎用性のある切断具だということだ。
ちなみに私自身の体験として言えば、「伐採」に限って言えば片刃斧よりも両刃斧の方が使いでが良い。左右にバランスよく刃が配置された形ゆえ、振る際にブレを生じさせず疲れにくい。刃がふたつあるという意味でも、研ぎの回数を減らせ一気に切り込める利点がある。
でもまず薪割にはむかないね。峰の無い形ではクサビを打ち込めず、振り上げどころまちがえたら…
顔面真っ二つ!
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